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目算 囲碁 - 検索
日本囲碁連盟 囲碁用語 より
目算(もくさん)
地を目で追って計算すること。
囲碁は、陣地を囲むゲームです。
RPGゲームやアクションゲームとは異なる思考で次の一手を考える、面白いゲームです。
将棋、チェスと並ぶ、究極の思考ゲームとも言われます。
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Wikipediaの記事を引用/参考します。(CC BY-SA 3.0)
碁
囲碁
ゲーム
Wikipediaの記事を引用/参考します。(CC BY-SA 3.0)
鳥栖駅
鳥栖駅
駅舎(2011年5月)
駅舎(2011年5月)
とす
Tosu
所在地 佐賀県鳥栖市京町[1]
北緯33度22分25.87秒 東経130度31分9.58秒
所属事業者 JR logo (kyushu).svg九州旅客鉄道(JR九州)
電報略号 トス
駅構造 地上駅
ホーム 3面6線[1]
乗車人員
-統計年度- 7,039人/日(降車客含まず)
-2016年-
開業年月日 1889年(明治22年)12月11日[1]
乗入路線 2 路線
所属路線 鹿児島本線
キロ程 106.8km(門司港起点)
◄田代 (1.2km)(3.6km) 肥前旭►
所属路線 長崎本線
キロ程 0.0km(鳥栖起点)
(2.9km) 新鳥栖►
備考 直営駅
みどりの窓口 有[1]
テンプレートを表示
鳥栖駅(とすえき)は、佐賀県鳥栖市京町にある、九州旅客鉄道(JR九州)の駅である[1]。九州鉄道(初代)開業時より現存する九州最古の駅の一つでもある[注釈 1]。
目次 [非表示]
1 概要
2 歴史
2.1 年表
3 駅構造
3.1 のりば
4 駅弁・立ち食い店
5 利用状況
6 駅周辺
7 バス路線
8 再開発計画
9 その他
10 ギャラリー
11 隣の駅
12 位置情報
13 脚注
13.1 注釈
13.2 出典
14 参考文献
15 関連項目
16 外部リンク
概要[編集]
九州の交通の結節点的役割を果たしている鳥栖市の、鉄道における中心駅であり全列車が停車する。当駅の所属線である鹿児島本線[2]と、当駅を起点とする長崎本線の2路線が乗り入れている。このほかに長崎本線肥前山口駅から分岐する佐世保線、鹿児島本線久留米駅から分岐する久大本線に直通する特急・普通列車も利用可能である。鹿児島本線の普通列車の運行上の拠点駅の1つでもあり、熊本方面から銀水駅以北へ乗り入れる普通列車の大半が当駅で折り返す。
なお、優等列車を介しての熊本方面と長崎方面からの接続駅としての機能は、九州新幹線鹿児島ルートの開業により、鹿児島ルートと長崎本線が接続する新鳥栖駅に移行した。
鹿児島本線の起点である門司港駅から続いてきた福岡近郊区間は当駅まで。また、当駅以南の鹿児島本線は全区間最高速度が100km/hとなる。
歴史[編集]
昭和戦前期の鳥栖駅
1889年(明治22年)12月11日に、九州鉄道が博多駅と千歳川仮停車場の間を開通させた際に合わせて開設された、九州で最初の駅の一つである[1]。1891年(明治24年)8月20日には、現在の長崎本線となる路線が佐賀駅まで開通した[3]。1903年(明治36年)7月に、間組による工事によって鳥栖駅舎が移転新築され、1911年(明治44年)の増改築を経て、21世紀初頭まで使用され続けている[4]。
1925年(大正14年)に鳥栖操車場が開設され、昭和30年代には42万平方メートルの敷地面積に約700人の職員が働き、鳥栖機関区には約50両の配置機関車がある、九州の貨物輸送の一大拠点となった[5]。この間、1945年(昭和20年)8月11日には構内に空襲を受けたが[6]、駅舎は残った。1961年(昭和36年)には鹿児島本線が電化され、さらに発展することになった[5]。しかし、昭和40年代に入ると鉄道貨物は退潮となり、1984年(昭和59年)に鳥栖操車場は廃止となった[5]。
1990年(平成2年)以降は日本貨物鉄道(JR貨物)のコンテナホームが開設されていた。隣の田代駅東側に1面1線、150メートルほどのホームがあったが、2006年(平成18年)に久留米駅の機能を統合し鳥栖貨物ターミナル駅に改称した。1996年(平成8年)9月に、駅東側に隣接して鳥栖スタジアムが開設された際に、駅の東西を横断する自由通路「虹の橋」も開通した[5]。2010年(平成22年)には、それまで自動車と歩行者とが入り乱れていた駅前周辺の再整備が進み、歩道が整備されたり信号が設置されたりするなど自動車・歩行者双方の安全性が向上した。
年表[編集]
1889年(明治22年)12月11日 - 九州鉄道 博多駅 - 千歳川駅間の開通と同時に開業[1]。
1891年(明治24年)8月20日 - 九州鉄道が佐賀駅まで開通[3]。
1903年(明治36年)7月 - 駅舎新築[4][5]
1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道の国有化により、帝国鉄道庁所管となる[7]。
1911年(明治44年) - 駅舎増改築[5]。
1925年(大正14年) - 鳥栖操車場開設[5]。
1945年(昭和20年)8月11日 - 鳥栖大空襲で駅構内に爆弾多数投下され被災[6]。駅舎は焼失を免れた。
1984年(昭和59年) - 鳥栖操車場廃止[5]。
1986年(昭和61年)11月1日 - 荷物の取扱を廃止。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により九州旅客鉄道・日本貨物鉄道の駅となる[8]。
1990年(平成2年)3月10日 - コンテナ貨物の取扱を開始。
1996年(平成8年)8月 - 東西自由通路「虹の橋」開通[5]。
2006年(平成18年)3月18日 - 日本貨物鉄道の駅が移転廃止、鳥栖貨物ターミナル駅開業。
2009年(平成21年)3月1日 - ICカードSUGOCAの利用を開始[9]。
2010年(平成22年)11月 - 駅前広場および駅前バス停周辺の整備工事が完了。
2015年(平成27年)12月15日 - 鳥栖駅周辺まちづくり検討委員会で、橋上駅舎化の答申が出される[10]。
駅構造[編集]
改札口(2010年8月5日)
ホーム、駅舎(西)側(2007年8月)
島式ホーム3面6線を持つ地上駅[1]。ホームに接する本線のほかに通過線もある。駅舎とホーム間はホーム両端に設けられた2本の地下通路でつながっている。
駅舎は駅西側にのみある。1903年(明治36年)7月に完成した2代目のもので[4][5]、九州鉄道時代に建築された大規模駅舎である[1]。ホームの屋根を支える鉄柱は明治時代に製造されたレールを利用し建築されている。ホームと地下通路を昇降するエレベーターが設置されている。
JR九州の直営駅であり、みどりの窓口・自動改札機が設置されている。駅自動放送が導入されている。
駅舎内に中央軒のうどんコーナー(後述)とトランドール鳥栖駅店(サガン鳥栖オフィシャルショップ併設)が設けられている。
のりば[編集]
以下の乗り場表記は日中の基本的なパターンを示したもので、運用が複雑なことから朝晩を中心に例外が存在する。
のりば 路線 方向 行先 備考
1 ■鹿児島本線 上り 博多・小倉方面 主に快速列車・特急「かもめ」
2 ■長崎本線 - 佐賀・長崎・佐世保・ハウステンボス方面 主に当駅始発の普通列車
3 ■鹿児島本線 下り 久留米・大牟田・熊本方面 主に当駅始発の普通列車
上り 博多・小倉方面 主に特急「みどり」「ハウステンボス」
4 ■鹿児島本線 上り 博多・小倉方面 主に普通列車
5 ■長崎本線 - 佐賀・長崎・佐世保・ハウステンボス方面 主に特急列車
6 ■鹿児島本線 下り 久留米・大牟田・熊本方面 主に快速列車・特急「有明」「ゆふ」「ゆふいんの森」
備考
上り特急(熊本・長崎・佐世保・由布院方面からの列車)は1・2・3番のりばのいずれかから発車する。
鹿児島本線久留米駅方面と長崎本線を跨いで運行する列車は当駅でスイッチバックを行う。2013年11月現在定期列車では該当する列車はないが、熊本駅方面からの有田陶器市向けの団体専用列車や、1泊2日コースでの「ななつ星in九州」がスイッチバックを行っている。
5番線のホームの柱は下り方から青・赤・緑の3色に塗られている。これは塗られた当時、肥前山口駅・早岐駅で分割を行う「かもめ・みどり・ハウステンボス」の3階建て列車が運行されていたためで、青が「かもめ」、赤が「ハウステンボス」、緑が「みどり」に対応していた。
駅弁・立ち食い店[編集]
かしわうどん
かしわめし
中央軒が構内での駅弁の販売と立ち食いうどん店の運営を行っており、駅ホームのうどん店と改札内外の売店で駅弁が販売されている。「焼麦(しゃおまい)」と呼ばれるシューマイと、かしわめしで知られる。主な駅弁は下記の通り[11]。
かしわめし
焼麦(しゃおまい)弁当
花つくし
肥前路弁当
あさりめし
長崎街道焼麦弁当
牛めし
当駅のうどん店は、駅構内にある立ち食いうどんとしては九州で最も長い歴史を持つものであり、現在も「かしわうどん」で知られる。改札口横、1・2番ホーム、3・4番ホーム、5・6番ホームの計4箇所に店があるが、なぜか5・6番ホームにある店舗が最もうまいという評判が昔からあり、わざわざ入場券を買って食べる人もいるという[12]。
なお、構内の店舗により営業時間や取り扱う駅弁の種類が違う場合があるため注意が必要である。
利用状況[編集]
2016年(平成28年)度の1日平均乗車人員は7,039人である。これは佐賀県内では佐賀駅に次いで第2位であり、JR九州の駅としては筑前前原駅に次いで第25位である[13]。
近年の推移は下表のとおりである。
年度別1日平均乗降・乗車人員[14][15]
年度 1日平均
乗降人員 1日平均
乗車人員
1998年(平成10年) 12,980 6,430
1999年(平成11年) 13,210 6,515
2000年(平成12年) 13,224 6,534
2001年(平成13年) 13,001 6,429
2002年(平成14年) 12,957 6,419
2003年(平成15年) 13,003 6,450
2004年(平成16年) 12,906 6,409
2005年(平成17年) 13,061 6,482
2006年(平成18年) 13,228 6,569
2007年(平成19年) 13,461 6,685
2008年(平成20年) 13,675 6,791
2009年(平成21年) 13,442 6,672
2010年(平成22年) 13,473 6,696
2011年(平成23年) 13,424 6,682
2012年(平成24年) 13,550 6,748
2013年(平成25年) 14,003 6,980
2014年(平成26年) 13,741 6,840
2015年(平成27年) 14,203 7,069
2016年(平成28年) 7,039
駅周辺[編集]
鳥栖市中心市街地の東側に位置している。鳥栖市役所は当駅の約1.2km西側の国道34号沿いに位置する。前述の通り駅舎・改札は駅西側にしか設けられておらず、東西の行き来は駅ホーム北端を跨ぐように設けられた自由通路「虹の橋」を使用する。
駅東側には、国鉄230形蒸気機関車(268号機)が静態保存されている。かつて鳥栖市役所に保存されていたものが移設された。
駅西側
フレスポ鳥栖 - 複合商業施設。核テナントはサンリブ鳥栖店。
本通筋商店街
ルートイン鳥栖駅前
駅東側
ベストアメニティスタジアム - Jリーグ・サガン鳥栖の本拠地[1]。
サンメッセ鳥栖(鳥栖市定住・交流センター)
ハローワーク鳥栖
鳥栖ガス本社
バス路線[編集]
すべて駅西口の「鳥栖駅前」バス停を発着する。
西鉄バス佐賀
鳥栖市内各路線
西鉄久留米駅・JR久留米駅方面
綾部・中原・JR久留米駅・西鉄久留米駅方面
目達原・神埼方面
弥生が丘駅・鳥栖プレミアム・アウトレット方面
鳥栖プレミアム・アウトレット方面
鳥栖市ミニバス
鳥栖地区循環線
田代地区循環線
再開発計画[編集]
鳥栖駅周辺は鉄道で東西が分断されており、特に市中心部から離れた駅西側の活性化が検討されてきたが、2002年(平成14年)に鳥栖駅西側土地区画整理事業計画を策定するも翌年に事業断念[5]、さらには佐賀県が主体となって駅周辺の連続立体交差事業の検討も行われたが2006年(平成18年)に白紙撤回されており[5]、長年の懸案事項となっていた。
こうした経緯を経て、2015年2月に行われた鳥栖市長選挙で「鳥栖駅の橋上駅化」「鳥栖駅東口の開設」を公約に掲げた橋本康志が当選[16]、市役所内に「鳥栖駅周辺整備推進本部」を設置し、「鳥栖駅周辺まちづくり検討委員会」を設けて検討を行っている。委員会では「田代駅周辺を含めた連続立体交差」「鳥栖駅周辺のみの連続立体交差」「鳥栖駅の橋上駅化と道路跨線橋の設置」「鳥栖駅東口設置と道路跨線橋の設置」の4案を比較[17]。連続立体交差事業は430億から590億円程度の工費が見込まれ、効果を発揮するまで30年程度の時間がかかるとして否定し、また東口を設置する案も「駅を中心に新しいまちの顔をつくる戦略との整合性が弱い」とした[10]上で、「鳥栖駅の橋上駅化と道路跨線橋の設置」案を推薦した[10]。この案では総工費は230億円程度で、このうち122億円が県と市の負担となる[10]。鳥栖市では引き続き具体的な計画を検討しているが、2022年(平成34年)頃からの工事着手を想定している状況にある[18]。
この橋上化に伴い、築110年を経過した従来の駅舎は取り壊しとなる計画であったが、文化財としての価値を検討してきた鳥栖市文化財保護審議会では、文化財的な価値の高い駅舎であり、現地で保存するべきであるとする答申をまとめている[4]。
その他[編集]
かつて「みずほ」「明星・あかつき」「さくら・はやぶさ」など当駅で分割・併合を行う寝台特急列車が存在したが、2008年(平成20年)の「なは・あかつき」の廃止を最後にすべて消滅した。
藤井フミヤが高校卒業後に半年間の見習期間に働いていたことがある。その後早岐駅に配属された。父親は当駅の駅長を経験している。
駅近くにソフトバンク社長の孫正義の生家があったが現存しない。
ギャラリー[編集]
ホーム東側
虹の橋、東側より
駅裏に保存される268号蒸気機関車
隣の駅[編集]
九州旅客鉄道
鹿児島本線
特急「有明」「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」「ゆふ・ゆふいんの森」停車駅
■快速・■準快速
基山駅 - 鳥栖駅 - 久留米駅
■普通(博多駅から準快速となる列車を含む)
田代駅 - 鳥栖駅 - 肥前旭駅
※快速の一部には、当駅を境に普通列車に変わるものも存在する。
長崎本線
特急「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」停車駅
■普通(鹿児島本線内で快速となる列車を含む)
田代駅(鹿児島本線) - 鳥栖駅 - 新鳥栖駅
位置情報[編集]
北緯33度22分25.67秒 東経130度31分09.81秒
鳥栖(福岡) - 地理院地図
鳥栖駅 - Google マップ
脚注[編集]
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注釈[編集]
^ 他は博多駅、二日市駅、原田駅、田代駅の4つ。
出典[編集]
^ a b c d e f g h i j 『週刊 JR全駅・全車両基地』33号 熊本駅・嘉例川駅・大畑駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年3月31日、20頁。
^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
^ a b 百年史 1988, p. 45.
^ a b c d 遠山武 (2016年10月19日). “佐賀)鳥栖駅「現地保存を」 市文化財保護審が答申へ”. 朝日新聞デジタル. 2016年10月19日閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l 鳥栖市 2016, p. 2.
^ a b 百年史 1988, p. 117.
^ 百年史 1988, p. 65.
^ 百年史 1988, p. 181.
^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日)
^ a b c d “鳥栖市、JR鳥栖駅を橋上駅化へ” (2015年12月16日). 2016年10月19日閲覧。
^ 『JR時刻表』2017年3月号、交通新聞社、2017年、 398頁。
^ 鳥栖駅のうどん - 中央軒公式サイト内
^ “駅別乗車人員上位300駅(平成28年度) (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2017年7月31日). 2017年8月3日閲覧。
^ 鳥栖市統計書
^ 佐賀県統計年鑑
^ “3選の橋本・鳥栖市長に聞く 駅東口新年度中に基本計画”. 佐賀新聞. (2015年2月24日) 2015年12月3日閲覧。
^ 鳥栖市 2016, p. 10.
^ 平成28年度 鳥栖駅周辺まちづくり検討委員会 第3回委員会資料 (PDF) , p.8
参考文献[編集]
『九州の鉄道100年記念誌 鉄輪の轟き』 九州鉄道百年祭実行委員会・百年史編纂部会、九州旅客鉄道、1988年、初版(日本語)。
“鳥栖駅周辺まちづくり基本構想 (PDF)”. 鳥栖市 (2016年3月). 2017年3月18日閲覧。
関連項目[編集]
日本の鉄道駅一覧
外部リンク[編集]
ウィキメディア・コモンズには、鳥栖駅に関連するカテゴリがあります。
鳥栖駅(駅情報) - 九州旅客鉄道
中央軒(駅弁・うどん)
[表示] 九州旅客鉄道 鹿児島本線(門司港 - 荒尾)
[表示] 九州旅客鉄道 長崎本線
カテゴリ: 佐賀県の鉄道駅日本の鉄道駅 と九州旅客鉄道の鉄道駅日本貨物鉄道の廃駅日本国有鉄道の鉄道駅九州鉄道(初代)鳥栖市の交通1889年開業の鉄道駅鹿児島本線長崎本線
肥薩線
曖昧さ回避 この項目では、1927年以降の肥薩線について説明しています。1927年以前の肥薩線については「鹿児島本線#八代 - 川内 - 鹿児島」、「肥薩おれんじ鉄道線」をご覧ください。
この項目に含まれる文字「薩」は、オペレーティングシステムやブラウザなどの環境により表示が異なります。
JR logo (kyushu).svg 肥薩線
球磨川第一橋梁を渡る肥薩線の普通列車 2007年3月7日
球磨川第一橋梁を渡る肥薩線の普通列車
2007年3月7日
基本情報
通称 えびの高原線(八代 - 吉松間)
国 日本の旗 日本
所在地 熊本県、宮崎県、鹿児島県
起点 八代駅
終点 隼人駅
駅数 28駅
電報略号 ヒサセ
開業 1903年1月15日
所有者 JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道(JR九州)
運営者 JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道
使用車両 使用車両を参照
路線諸元
路線距離 124.2 km
軌間 1,067 mm
線路数 単線
電化方式 非電化
閉塞方式 特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
[折り畳む]路線図
Hisatsu line and Kitto line ja.png
テンプレートを表示
肥薩線(ひさつせん)は、熊本県八代市の八代駅から鹿児島県霧島市の隼人駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。八代駅 - 吉松駅間には吉都線吉松駅 - 都城駅間と合わせて「えびの高原線」の愛称が付けられている。
目次 [非表示]
1 概要
1.1 路線データ
2 沿線概況
3 運行形態
3.1 八代駅 - 人吉駅間
3.1.1 特急「かわせみ やませみ」
3.1.2 特急「いさぶろう」・「しんぺい」
3.1.3 「SL人吉」
3.1.4 快速列車
3.1.5 「九千坊号」(廃止)
3.2 人吉駅 - 吉松駅
3.3 吉松駅 - 隼人駅
3.3.1 特急「はやとの風」
3.4 その他の列車
3.4.1 ななつ星in九州
3.4.2 貨物列車
4 使用車両
5 歴史
5.1 鹿児島線
5.2 人吉本線→鹿児島本線
5.3 肥薩線
6 近代化産業遺産群
7 利用状況
8 駅一覧
8.1 過去の接続路線
9 脚注
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
概要[ソースを編集]
熊本・宮崎・鹿児島のいわゆる南九州3県を縦貫する唯一の鉄道路線である。1899年(明治32年)に鉄道作業局の手により当時開通していた鹿児島 - 隼人間から工事が始まり、1903年(明治36年)に吉松まで開通、八代側からは1908年(明治41年)に人吉まで開通、翌1909年(明治42年)に人吉 - 吉松間が開通して八代 - 鹿児島間が全通した。この時は鹿児島本線(1908年まで「人吉本線」)の一部であったが、1927年(昭和2年)八代 - 鹿児島間の海岸沿いに新線が開業すると、元の区間は旧肥後国と旧薩摩国を結ぶことから「肥薩線」と改められた。さらに、1932年(昭和7年)に隼人 - 鹿児島間が日豊本線の一部となったため、残る八代 - 隼人間は、その路線名にも関らず、旧薩摩国を通らないこととなった(吉松 - 隼人間は旧大隅国に属する)。ただし、大隅国も薩摩藩の領地であった。
ローカル線ではあるが、1974年(昭和49年)から1980年(昭和55年)まで博多 - 宮崎間の特急「おおよど」、1959年(昭和34年)から2000年(平成12年)まで熊本 - 宮崎間の急行「えびの」(当初は準急)が経由し、吉都線とともに中九州と南九州を結ぶ役割を持っていた。このほか、国鉄時代は門司港 - 人吉間に夜行列車が設定され、夏季や冬季の連休シーズンに不定期列車として大阪 - 人吉間に急行「ひとよし」が運行されていた。
JR九州管区内で最多を数える木造駅舎や球磨川沿いの景観、山間のループ線、スイッチバックなどが見所である[1]。「えびの」廃止以後、特に利用者の少ない人吉 - 吉松間については廃止の可能性も取り沙汰されていたが、2004年(平成16年)3月13日の九州新幹線部分開業を期に、これらの観光資源に着目し、観光路線としての整備が進められている。近年では「SL人吉」「いさぶろう・しんぺい」「はやとの風」などの観光列車の導入が行われており、現在では周辺住民の利用とともに観光利用も多く、南九州の観光資源の一つとして定着している。
2005年(平成17年)まで豊肥本線で「SLあそBOY」として運転していた蒸気機関車58654(8620形)が修復され、2009年(平成21年)4月25日から熊本 - 人吉間で「SL人吉」としておおむね金・土・日曜日・祝日および夏休み期間中に1日1往復運転している。
路線データ[ソースを編集]
管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
路線距離(営業キロ):124.2km
軌間:1067mm
駅数:28(起終点駅含む)
肥薩線所属駅に限定した場合、起終点駅(八代駅は鹿児島本線、隼人駅は日豊本線の所属[2])が除外され、26駅となる。
複線区間:なし(全線単線)
電化区間:なし(全線非電化)
閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
八代駅 - 真幸駅間が熊本支社、吉松駅 - 隼人駅間が鹿児島支社の管轄であり、宮崎県と鹿児島県の県境付近に支社境がある。
電子符号照査式の自動閉塞式のため、一般向けリアルタイム列車位置情報システム「どれどれ」は非提供[3]だが、八代駅と隼人駅に停車する列車及び出発、接近する列車については閲覧できる。
沿線概況[ソースを編集]
[表示]停車場・施設・接続路線
沿線は人吉駅と吉松駅を境に大きく3つの区域に分かれ、それぞれに特徴がある。
八代駅から人吉駅までは川線と呼ばれる区間で、日本三大急流の一つである球磨川に沿い、深い渓谷を縫って走る景観を望むことができる。なお、区間の大半(鎌瀬駅 - 渡駅間)は川の西岸を走行する。
八代駅を出ると、すぐに肥薩おれんじ鉄道線(旧・鹿児島本線)がオーバークロスするが、その辺りから球磨川の東岸を走る。九州新幹線の橋梁の下を通り、ゆったりとした球磨川の流れを望める。途中、旧深水発電所(九州自動車道が2回オーバークロスする区間の途中、川の西岸にある)や熊本県営荒瀬ダム(撤去予定)などを見ることができる。
鎌瀬駅を過ぎるとすぐに球磨川第一橋梁を渡り、線路は西岸に移る。この橋梁は1906年にアメリカン・ブリッジが製造した橋である。瀬戸石駅を過ぎると瀬戸石ダムを見ることができる。このあたりからかなり急峻な地形となり、白石駅から渡駅のあたりまでは、川の中に数多くの瀬を見ることができる。白石駅の次の球泉洞駅の名前は、総延長4800mの九州最大級の鍾乳洞球泉洞から付けられたものである。近くには球磨川下りの船着き場もあり、渡り船やラフティングなどの様子が見られる。渡駅の手前で球磨川第二橋梁を渡り、また東岸に戻る。渡駅と西人吉駅の間には桜並木があり、春先には桜のトンネルになる。
人吉駅から吉松駅までは熊本・宮崎県境の国見山地を越える高低差430mの山線と呼ばれる区間で、大畑駅のループ線とスイッチバック、日本三大車窓の矢岳越えなどといった景観が続く。
人吉駅を出ると、くま川鉄道湯前線の相良藩願成寺駅の手前まで一部線路を共用し、その後でくま川鉄道湯前線と分岐、球磨川を渡る。しばらくは平坦なところを走るが、すぐに山の中に入り、小さなトンネルを4つほど通り、大畑駅に到着する。ここでスイッチバックとループ線を通り、山の中を肥薩線最高所にある矢岳駅まで上る。矢岳駅にはSL展示館がある。
肥薩線でもっとも長い矢岳第一トンネルを抜けて真幸駅に向かう途中で、眼下の加久藤盆地やその向こうの霧島連山を望むことができる。この車窓は日本国有鉄道(国鉄)が選定した日本三大車窓の一つに数えられていて、線路沿いに風景案内のための看板が設置されている。真幸駅を過ぎ、2番目の山神第二トンネルは肥薩線列車退行事故があったトンネルである。トンネル群を過ぎると平坦になり、吉松駅に到着する。
吉松駅から隼人駅までは山間部と農村を走る区間である。肥薩線全線の中で最も利用者の多い区間で、地域の住民の生活に欠かせないものとなっており、朝夕の学生の通学に多く利用されている。大隅横川駅と嘉例川駅の駅舎は開業当初からの木造建築で、2006年に国の登録有形文化財になっている。
車窓から眺める球磨川
日本三大車窓の一つ「矢岳越え」
運行形態[ソースを編集]
人吉駅と吉松駅で運行系統が分かれている。また、全線でワンマン運転を実施している。
過去には前述の特急「おおよど」、急行「えびの」のほか、特急「九州横断特急」「くまがわ」、快速列車「ディーゼル人吉号」や、休日を中心に観光快速列車「九千坊号」が運転されていた。
八代駅 - 人吉駅間[ソースを編集]
八代駅 - 人吉駅間には、熊本駅 - 人吉駅間で特急「かわせみ やませみ」3往復、特急「いさぶろう」・「しんぺい」1往復、快速列車1往復が運転され、普通列車を含めて1 - 2時間に1本程度運行されている。朝の上り普通列車1本は鹿児島本線の新八代駅まで運転され、1往復は八代駅 - 吉松駅間を直通して運転される(列車番号は人吉駅で変更される)。始発は上下ともに5時台と比較的早く、最終列車は上りが20時台(人吉発)、下りが22時台(八代発)となっている。また、臨時列車として土日祝日などを中心に「SL人吉」が運転される。
特急「かわせみ やませみ」[ソースを編集]
詳細は「かわせみ やませみ」を参照
2017年3月4日から運行を開始した特急列車。熊本駅 - 人吉駅間を1日3往復毎日運転される[4]。車内は人吉球磨産の杉やヒノキを用い、リクライニングシートやボックスシート、カウンター席を配置されている。車両はキハ47形8000番台・9000番台が充当されている。
特急「いさぶろう」・「しんぺい」[ソースを編集]
「いさぶろう」・「しんぺい」(2009年7月4日、真幸駅)
詳細は「いさぶろう・しんぺい」を参照
2004年の九州新幹線部分開業時に運行を開始した観光列車。2017年3月現在、熊本駅 - 吉松間に1往復、人吉駅 - 吉松駅間に1往復の計2往復が運転されている。熊本駅 - 人吉駅間は特急列車、人吉駅 - 吉松駅間は普通列車として運転される[5][4]。人吉駅発着の列車は人吉駅で熊本駅発着の特急「かわせみ やませみ」と接続し、吉松駅発着の列車は吉松駅で鹿児島中央駅発着の特急「はやとの風」と接続する。車両は、キハ140形・キハ47形9000番台からなる2両編成(「SL人吉」運転日などにはキハ47形改造車1両を増結し3両で運転)で、キハ140形には車体中央部に展望スペースが設けられている。
「SL人吉」[ソースを編集]
詳細は「SL人吉」を参照
熊本駅 - 人吉駅間を運行している蒸気機関車牽引の臨時快速列車。2009年4月25日に運転を再開し、1日1往復、土・日・祝日や夏休み、春休みなどを中心に年間150日程度の定期運転を実施している。蒸気機関車は58654を使用し、客車は50系3両編成で、SL・ディーゼルあそBOYで使用されていた車両を新たにリニューアルして使用している。全車両座席指定席であり、通常の座席指定席よりも高めな金額設定となっている
「SL人吉」(2009年6月)
「SL人吉号」(2003年5月10日、宇土駅にて撮影)。
快速列車[ソースを編集]
2016年3月26日のダイヤ改正で廃止された特急「九州横断特急」「くまがわ」の代替列車として、熊本駅・八代駅 - 人吉駅間に4往復設定され[5]、その後2017年3月4日のダイヤ改正でこのうち3往復が特急かわせみ やませみに置き換えられた。特に愛称は付けられておらず、2017年3月4日現在、1往復の運転である。このうち夜間に運行される下りの1本は八代駅 - 人吉駅間の線内運転である。
基本的に特急列車時代の停車駅を踏襲しているが、かつて一部列車が停車していた松橋駅、球泉洞駅は通過し、白石駅に停車する。車両は主にキハ40形またはキハ220形が1両編成で使用される。特急列車よりも停車駅が多いが、所要時間は特急列車と変わらず、上りの快速は人吉駅 - 熊本駅間を1時間30分、下りの快速は八代駅 - 人吉駅間を1時間7分で走行する。
停車駅
熊本駅 - 新八代駅 - 八代駅 - 坂本駅 - 白石駅 - 一勝地駅 - 渡駅 - 人吉駅
なお、2017年3月のダイヤ改正までは昼間時間帯にも3往復の快速が運転されており、この3往復については白石駅を通過していた。この改正で同列車は特急「かわせみ やませみ」に置き換えられた[4]。
「九千坊号」(廃止)[ソースを編集]
九千坊号(きゅうせんぼうごう)は、2005年10月2日から日曜・祝日・年末年始に熊本駅 - 人吉駅間を1往復運行していた観光用の快速列車である。1988年から運行されていた初代「SL人吉号」が、豊肥本線での運行中に機関車に甚大な車両故障が発生したことが原因で運行を終了した後(前節も参照)、その後継として設定された。車両はアコモデーション改装を施したキハ31形気動車を使用していた。通常の座席の代わりに畳敷きのボックスシートを4つ(16人分)用意しているのが特徴であり、畳敷きの部分およびその脇の椅子(1人掛け)4席は座席指定席となっていた。そのほかに自由席部分が9席分あった。トイレはなかった。2008年3月15日のダイヤ改正で普通列車に格下げされ、八代駅 - 人吉駅間の定期運用の普通列車に休日だけヘッドマークを付けたものとなっていたが、2009年3月14日のダイヤ改正で廃止され、同年4月25日から再び運行が再開された2代目「SL人吉」に継承された形で運行を終了した。
この列車は観光用であるため、車内で観光案内がテープで流れ、要所要所でスピードを落として運行していた。前述の「いさぶろう」・「しんぺい」と同じような球磨川の風景を観賞してもらうための列車であった。
列車愛称の「九千坊」とは、揚子江上流の唐天竺から球磨川に来た伝説の河童の名である。
快速列車として運転していた際の停車駅
熊本駅 - 川尻駅 - 宇土駅 - 松橋駅 - 有佐駅 - 新八代駅 - 八代駅 - 坂本駅 - 葉木駅 - 瀬戸石駅 - 吉尾駅 - 白石駅 - 球泉洞駅 - 一勝地駅 - 渡駅 - 人吉駅
キハ31形で運行される快速列車「九千坊号」(2007年3月18日、熊本駅にて撮影)
九千坊号のヘッドマークとサイドボード(2007年3月18日、熊本駅にて撮影)
人吉駅 - 吉松駅[ソースを編集]
人吉駅 - 吉松駅間は本数が少なく、1日5往復の運転であり、うち2往復は観光列車「いさぶろう」・「しんぺい」、残り3往復が一般気動車での運転である。「いさぶろう」・「しんぺい」は同区間は普通列車として運転されるが、一部の座席を除いて指定席である。一般気動車で運行される列車のうち1往復は八代駅 - 人吉駅間と直通して運転される。普通列車の場合でも、多客期の昼間に「いさぶろう」「しんぺい」同様、日本三大車窓の矢岳越え付近での徐行および一時停止、途中駅での観光目的のための長時間停車を行う場合がある。
吉松駅 - 隼人駅[ソースを編集]
吉松駅 - 隼人駅間には鹿児島中央方面より特急「はやとの風」が運転されており、普通列車とあわせて1 - 2時間に1本程度運行されている。普通列車の一部は吉都線や日豊本線と直通運転を行っており、早朝の下り列車2本は日豊本線・鹿児島本線を経由して鹿児島中央駅まで運転されるほか、日豊本線の宮崎駅を始発として吉都線経由で直通運転する列車も存在する。始発列車は5時台に、最終列車は21時台に設定されている。
特急「はやとの風」[ソースを編集]
詳細は「はやとの風」を参照
2004年の九州新幹線部分開業時に運行を開始し、吉松駅 - 鹿児島中央駅間を1日2往復毎日運転される。全列車が熊本駅・人吉駅 - 吉松駅間で運転される観光列車「いさぶろう」・「しんぺい」と吉松駅で接続する。車両は、キハ47形・キハ147形からなる2両編成で車両中央部には展望スペースが設置されている。
その他の列車[ソースを編集]
ななつ星in九州[ソースを編集]
2016年3月までクルーズトレイン「ななつ星in九州」が隼人駅から八代駅に向けて上りのみ運行されていた。ただし深夜帯に走行するため、肥薩線内は運転停車のみの通過扱いで営業(客扱い)停車は行われなかった。
なお、2018年春より3泊4日ルートが変更され、最終日に肥薩線を隼人駅から八代駅に向けて運行し、途中の大畑駅でティータイムを、人吉駅では人吉市内散策を行う計画となっている。また平成29年7月九州北部豪雨による久大本線の橋梁流失に伴うルート変更により、2017年8月22日から実施される3泊4日コースから、最終日に肥薩線を通過することとなっている。
貨物列車[ソースを編集]
定期貨物列車は1987年の国鉄分割民営化時に廃止されているが、くま川鉄道で新型車両を導入する際に、八代駅 - 人吉駅間でその新型車両を輸送するための臨時の甲種輸送貨物列車が走ることがある。この列車は日本貨物鉄道(JR貨物)門司機関区のDE10形ディーゼル機関車が牽引を担当する。
使用車両[ソースを編集]
8620形蒸気機関車・50系客車 - 「SL人吉」で使用。
国鉄キハ40系気動車 (2代)- 特急「はやとの風」「いさぷろう」「しんぺい」「かわせみ やませみ」、普通・快速列車で使用。
キハ220形気動車-八代駅 - 吉松駅間の普通列車に使用
キハ31形気動車 - 八代駅 - 吉松駅間の普通・快速列車の代走として使用。通常は入線しない。2016年3月のダイヤ改正までは主力車両であったが、車内にトイレが無い事が不評だったため、ダイヤ改正以降は代走運用として入るようになった。
八代駅 - 吉松駅間では「いさぶろう・しんぺい」を除き、キハ47形は普通、快速列車には充当されない。キハ220形は熊本車両センター所属のキハ220-1102が運用につく。この車両は2011年まで指宿枕崎線で運行されていた特別快速「なのはなDX」の指定席車として運転されていた車両であり、内装がキハ220形200番台と同じような白を基調としたものになっており、床がフローリング、回転クロスシート、展望窓があるなど、他のキハ220形にない特徴をもつ。
八代駅 - 人吉駅 - 吉松駅間の普通列車(いさぶろう・しんぺいを除く)はキハ40形、キハ140形、キハ220形の共通運用となっており、原則1両編成である。ただし、イベント開催時などの乗客が増える場合は2両編成となることがある。それぞれワンマン運転であり、1両編成の場合は後乗り前降り方式、2両編成の場合は一番前の車両の後ろのドアから乗車し、前のドアから降車する方式をとっている。乗車の際には整理券を受け取り、後者の際に運転席横運賃箱に整理券と運賃、または乗車券を投入する。ただし、八代駅、人吉駅の終日と吉松駅の日中は改札口にて改札・運賃精算を行う。また八代駅と人吉駅には券売機が設置されており、整理券は発行されない。 吉松駅 - 隼人駅間の普通列車は、吉都線・日豊本線との共通運用であり、キハ40形・キハ140形・キハ47形・キハ147形が1両 - 3両編成で運用されている。朝には3両編成の列車が設定されており、車掌が乗務する。それ以外の列車は1 - 2両編成でワンマン運転を行っている。
歴史[ソースを編集]
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球磨川第一橋梁の建設工事
八代 - 人吉間は、九州鉄道が建設した門司 - 八代間の八代線を延伸する形で、官設鉄道の人吉線(ひとよしせん)として開業したものである。
吉松 - 隼人間は、官営で1901年に開業していた鹿児島線を延伸する形で1903年に開業した。人吉 - 吉松間が開業し、全通したのは1909年のことで、この時に門司 - 人吉 - 吉松 - 隼人 - 鹿児島間が鹿児島本線となった。人吉のループ線は、このとき日本最古の鉄道ループ線としての開通となっている[6]。
川内経由の川内本線(現在のルート)が1927年に全通すると八代 - 人吉 - 鹿児島間は肥薩線となり、都城 - 隼人間(国都線)が1932年に全通して現在の日豊本線のルートが完成すると隼人 - 鹿児島間が日豊本線に編入され、八代 - 隼人間が肥薩線となった。
なお、現行の肥薩線以前に現在肥薩おれんじ鉄道線となっている八代 - 湯浦間も肥薩線を名乗っていたが、1927年に鹿児島 - 水俣間の川内本線と接続し、現行の肥薩線と路線名称を交換する形で鹿児島本線に編入されている。
鹿児島線[ソースを編集]
1903年(明治36年)
1月15日 【延伸開業】官設鉄道 国分(現在の隼人) - 横川(現在の大隅横川) 【駅新設】嘉例川、横川
9月5日 【延伸開業】横川 - 吉松 【駅新設】栗野、吉松
1908年(明治41年)11月1日 【駅新設】(貨)牧園
1909年(明治42年)
7月11日 【貨物駅→一般駅】牧園
10月12日 【国有鉄道線路名称設定】鹿児島線 鹿児島 - 吉松
11月21日 【編入】鹿児島線→鹿児島本線
人吉本線→鹿児島本線[ソースを編集]
1908年(明治41年)6月1日 【開業】官設鉄道 八代 - 人吉 【駅新設】坂本、白石、一勝地、渡、人吉
1909年(明治42年)
10月12日 【国有鉄道線路名称制定】人吉本線 門司(現在の門司港) - 人吉
11月21日 【延伸開業・全通】人吉 - 吉松 【駅新設】矢岳、大畑(運転業務のみ扱い) 【線名改称】人吉本線→鹿児島本線 門司(現在の門司港) - 人吉 - 鹿児島(全通し改称。鹿児島線を編入)
12月26日 【駅客貨扱い開始】大畑
1910年(明治43年)6月25日 【駅新設】瀬戸石、(貨)那良口
1911年(明治44年)
3月11日 【駅新設】真幸(運転業務のみ扱い)
5月11日 【駅客貨扱い開始】真幸
1913年(大正2年)3月11日 【貨物駅→一般駅】那良口
1916年(大正5年)9月11日 【信号場新設】表木山
1920年(大正9年)
9月1日 【駅名改称】横川→大隅横川
10月11日 【信号場→駅】表木山
1923年(大正12年)10月4日 大隅横川駅から牧園方面へ列車が暴走し、天降川に架かる上尾田鉄橋から機関車が転落
肥薩線[ソースを編集]
1927年(昭和2年)10月17日 【路線分離・線名改称】鹿児島本線→肥薩線 八代 - 吉松 - 鹿児島(川内本線全通に伴い分離。改称)
1929年(昭和4年)9月1日 【駅名改称】国分→西国分
1930年(昭和5年)9月15日 【駅名改称】西国分→隼人
1931年(昭和6年)4月1日 【駅新設】段
1932年(昭和7年)12月6日 【路線分離・区間変更】肥薩線 八代 - 吉松 - 隼人(国都線全通に伴い隼人 - 鹿児島間を日豊本線に編入)
1942年(昭和17年)12月21日 【仮乗降場新設】葉木、大坂間
1945年(昭和20年)8月22日 吉松 - 真幸間の第二山神トンネルで列車退行事故が起こり50名以上が死亡。肥薩線列車退行事故を参照。
1947年(昭和22年)3月1日 【仮乗降場→駅】葉木、大坂間
1951年(昭和26年)12月 肥薩線で気動車運転開始
1952年(昭和27年)6月1日 【駅新設】鎌瀬、海路、吉尾、西人吉
1957年(昭和32年)7月5日 【駅新設】植村
1958年(昭和33年)
2月1日 【駅新設】中福良
10月1日 【駅新設】日当山
1959年(昭和34年)
4月1日 準急「くまがわ」(門司港 - 人吉)運転開始
5月1日 準急「えびの」(宮崎 - 熊本)運転開始
1962年(昭和37年)
1月15日 【駅名改称】牧園→霧島西口
2月15日 準急「からくに」(出水 - 宮崎)運転開始
1965年(昭和40年)11月1日 準急「やたけ」(熊本 - 西鹿児島)運転開始
1966年(昭和41年)3月5日 準急「くまがわ」「えびの」「やたけ」「からくに」急行格上げ
1972年(昭和47年)
3月15日 人吉 - 吉松間でDD51形の使用を開始
4月4日 人吉 - 吉松間でD51形重連によるさよなら運転を実施
7月6日 集中豪雨で線路に被害が出て、人吉 - 大畑間で列車転覆事故が発生、真幸駅が山津波で埋没
8月21日 集中豪雨の被害から復旧して人吉 - 吉松運転再開
1973年(昭和48年)3月28日 人吉 - 八代間完全無煙化
1974年(昭和49年)4月25日 特急「おおよど」(博多 - 宮崎)運転開始
1977年(昭和52年)2月16日 第三球磨川橋梁架け替え
1978年(昭和53年)10月2日 急行「やたけ」快速格下げ、西鹿児島 - 吉松間の運転に
1980年(昭和55年)10月1日 特急「おおよど」廃止
1986年(昭和61年)11月1日 全線で特殊自動閉塞(電子閉塞)を導入、快速「やたけ」廃止
1987年(昭和62年)4月1日 【貨物営業廃止】全線 【承継】九州旅客鉄道
1988年(昭和63年)
3月13日 【駅名改称】大坂間→球泉洞
10月9日 「SL人吉号」運転開始
1993年(平成5年)10月1日 ワンマン運転開始
1996年(平成8年)3月16日 観光列車「いさぶろう」「しんぺい」運転開始
2000年(平成12年)3月11日 急行「えびの」廃止
2003年(平成15年)3月15日 【駅名改称】霧島西口→霧島温泉
2004年(平成16年)3月13日 特急「九州横断特急」「くまがわ」「はやとの風」運転開始
2005年(平成17年)
8月21日 「SL人吉号」運行終了により廃止
10月2日 快速「九千坊」運転開始
2008年(平成20年)3月15日 快速「九千坊」が普通列車に格下げ
2009年(平成21年)
3月14日 普通列車「九千坊」廃止
4月25日 「SL人吉」運転再開
2016年(平成28年)
3月26日 特急「九州横断特急」「くまがわ」廃止[5]
4月14日 熊本地震の影響のより八代 - 吉松間が不通となったが、同月24日に運転再開[7]
2017年(平成29年)3月4日 特急(D&S列車)「かわせみ やませみ」が運転開始[8][4]。
近代化産業遺産群[ソースを編集]
大畑駅の給水塔
吉松駅前のC55 52
2007年に経済産業省が選定した全国の近代化産業遺産群33のうちの1つ「九州南部における産業創出とこれを支えた電源開発・物資輸送の歩みを物語る近代化産業遺産群」(南九州近代化産業遺産群)に、物資輸送関連遺産として肥薩線関係の以下の13件が含まれている。
坂本駅
白石駅
球磨川第一橋梁
球磨川第二橋梁
大畑駅、周辺の鉄道施設遺産、石造りの給水塔、朝顔型噴水
矢岳駅、SL展示館の保存車(蒸気機関車D51 170)
矢岳第一トンネル(扁額)
人吉機関車庫、人吉駅一番ホームの古レール
真幸駅
湧水町に残るアーチ煉瓦暗渠
吉松駅横の石倉(燃料庫)、吉松駅前の保存車両(蒸気機関車C55 52)
大隅横川駅
嘉例川駅
利用状況[ソースを編集]
1987年度の区間別平均通過人員は次の通りとなっている[9]。
肥薩線全区間:1,400人/日
八代駅 - 人吉駅間:2,171人/日
人吉駅 - 吉松駅間:569人/日
吉松駅 - 隼人駅間:1,109人/日
2016年度の区間別平均通過人員は次の通りとなっている[9]。
肥薩線全区間:458人/日
八代駅 - 人吉駅間:478人/日
人吉駅 - 吉松駅間:108人/日
吉松駅 - 隼人駅間:758人/日
人吉駅 - 吉松駅間については、JR九州の区間別平均通過人員において最も少ない結果となっている[10]。
また2016年度の旅客収入は次の通りとなっている。
肥薩線全線 281百万円/年
駅一覧[ソースを編集]
普通列車は全駅に停車。
快速、特急…●印の駅は全列車停車、|は全列車通過。
線路(全線単線) … ◇・◆・∨・∧:列車交換可(◆はスイッチバック駅)、|:列車交換不可
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 特急かわせみ やませみ 特急いさぶろう しんぺい 特急はやとの風 SL人吉 快速 接続路線 線路 所在地
八代駅 - 0.0 ● ● ● ● 九州旅客鉄道:鹿児島本線
肥薩おれんじ鉄道:肥薩おれんじ鉄道線 ∨ 熊本県 八代市
段駅 5.2 5.2 | | | | |
坂本駅 5.8 11.0 ● ● ● ● ◇
葉木駅 3.4 14.4 | | | | |
鎌瀬駅 2.4 16.8 | | | | |
瀬戸石駅 2.8 19.6 | | | | ◇
海路駅 3.9 23.5 | | | | | 葦北郡
芦北町
吉尾駅 3.2 26.7 | | | | |
白石駅 3.1 29.8 | | ● ● ◇
球泉洞駅 5.1 34.9 | | | | | 球磨郡
球磨村
一勝地駅 4.9 39.8 ● ● ● ● ◇
那良口駅 2.6 42.4 | | | | |
渡駅 2.9 45.3 ● ● ● ● ◇
西人吉駅 3.1 48.4 | | | | | 人吉市
人吉駅 3.4 51.8 ● ● ● ● くま川鉄道:湯前線 …人吉温泉駅 ◇
大畑駅 10.4 62.2 ● ◆
矢岳駅 9.5 71.7 ● |
真幸駅 7.3 79.0 ● ◆ 宮崎県えびの市
吉松駅 7.8 86.8 ● ● 九州旅客鉄道:吉都線(えびの高原線)〈隼人方面と直通あり〉 ◇ 鹿児島県 姶良郡
湧水町
栗野駅 7.5 94.3 ● ◇
大隅横川駅 6.5 100.8 ● ◇ 霧島市
植村駅 2.0 102.8 | |
霧島温泉駅 3.7 106.5 ● ◇
嘉例川駅 5.8 112.3 ● |
中福良駅 2.1 114.4 | |
表木山駅 2.4 116.8 | ◇
日当山駅 4.8 121.6 | |
隼人駅 2.6 124.2 ● 九州旅客鉄道:日豊本線 ∧
※特急いさぶろう・しんぺいは人吉~吉松間普通列車として運転
過去の接続路線[ソースを編集]
栗野駅:山野線 - 1988年2月1日廃止
脚注[ソースを編集]
[ヘルプ]
^ 肥薩線における明治・大正期の木造駅舎の利活用に関する研究 (PDF) - 福岡理奈、九州大学、2012年
^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
^ 〜 運行情報のご案内を充実 〜 「JR九州アプリ」で列車位置情報を表示します! (PDF) - 九州旅客鉄道、2016年12月20日
^ a b c d “平成29年春ダイヤ改正について (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2016年12月16日). 2017年3月20日閲覧。
^ a b c “平成 28 年春ダイヤ改正 (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2015-12-18日). 2015-12-19日閲覧。
^ 浅井建爾 『道と路がわかる辞典』 日本実業出版社、2001年11月10日、初版、228頁。ISBN 4-534-03315-X。
^ 肥薩線、10日ぶり運転再開 JR九州 - 熊本日日新聞、2016年4月24日
^ “人吉球磨を感じる旅 「かわせみ やませみ」デビュー! (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2017年1月30日). 2017年2月4日閲覧。
^ a b “路線別ご利用状況 (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2017年7月31日). 2017年8月14日閲覧。
^ ワースト1位は肥薩線人吉〜吉松間の108人…JR九州、区間別の輸送密度を初公表 - レスポンス、2017年8月1日
参考文献[ソースを編集]
週刊歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR02「肥薩線/吉都線/三角線」 朝日新聞出版 2009年
川島令三編著『四国・九州ライン - 全線・全駅・全配線』7 宮崎・鹿児島・沖縄エリア、講談社、2013年。ISBN 978-4-06-295166-1。
関連項目[ソースを編集]
鹿児島空港
肥薩おれんじ鉄道
外部リンク[ソースを編集]
ウィキメディア・コモンズには、肥薩線に関連するメディアがあります。
SL人吉-100年レイル肥薩線の旅-(JR九州公式ウェブサイト)
肥薩線利用促進存続期成会
ネコパブリッシング・鉄道ホビダス > 肥薩線視察記。(上)
車窓で旅する日本列島「肥薩線」 - トレたび (交通新聞社)
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表 話 編 歴
JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道熊本支社
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表 話 編 歴
JR logo (kyushu).svg 九州旅客鉄道鹿児島支社
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